好きな人に、好きなものが好きと言えなかった恋。

※2017.9の記事再掲です。
約5年前。
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この写真を撮った日から、
それまで全く気にしていなかった
ある人のことが気になり始めた。
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そしてこの写真を撮った日に、
はっきりと
「あ、好きだな」と自覚した。
(左のインド人じゃないですよw)
その人は、
語学が堪能だった。
顔がとても整っていた。
目の力が強かった。
どこの国の誰とでもすぐに仲良くなれた。
何をするにも軽やかだった。
みんなから愛されていた。
そして愛されていることをすんなり
受け取っているようだった。
今思うと、その人の特徴は
全部「わたし」が欲しいものだった。
わたしは
その人になりたくてなりたくて
仕方なかったのだ。
その人を前にすると
私はいつも急激に自信がなくなった。
表向きは虚勢を張って先輩ヅラするのだけど、
自分でも気づかないくらいの水面下では
劣等感の塊になり
自分のことがカスみたいに見えた。
だから私はその人に全く素の自分が出せず、
強がってばかりいて
びっくりするほど会話が上手くいかなかった。
だからその人と会うといつもどっと疲れた。
なのに常に気になってしかたない、
そんな不思議な恋だった。
その人が「納豆が嫌いだ」と言えば、
納豆が好きな自分が
なんだか汚れた存在のように思えた。
その人が「甘いものは苦手」と言えば、
甘いものが好きな自分が
嫌らしい存在のように思えた。
その人の光が強すぎて、
私は影でくすんだ存在だった。
と、思っていた。
でもそれは、単純に私が
自分の内側の光を見ていないだけだった。
内側の存在とのパートナーシップが
まるで組めていないだけだった。
✳︎
その人とは今でも友達です。
そして今のわたしは、彼氏に対して
「あれが好き」「これが嫌い~」
「えっ嫌いなの?美味しいじゃん!」
って何の躊躇もなく言える。
本当に、自分の好きや嫌いを言うのに
何の躊躇もないのだ。
彼はよく嫌そうな反応をするけれど、
私はそれを見て爆笑する。
それが冗談だってわかっているし、
結局私の好きなようにさせてくれることを
私は知っているから。
もし今、昔の私のように
好きな人に会わせて自分の好みにまで
劣等感を抱いている人がいたら、
まずは「もうひとりの自分」に
思いっきり謝ろう。
そして思いっきり、自分を尊重しよう。
自分を大切にするからこそ、
人から大切にされる恋ができるのだから。
  
  

 

 

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小松あすみ